
あれ…この日本語って英語にどう訳すの?
頑張って英語で話そうとしているのに、英語でうまく表現できない日本語ってありますよね。
それって英語力が低いから?と思いがちですが、実はその日本語、英語には存在してないかもしれません。
たとえば、帰国子女同士の会話は基本英語なのに、なんでちょこちょこ日本語が登場するか知ってますか?

考えられる理由は3つ!
- 英語に訳すと不自然になってしまう
- 英語で言うと長ったらしくなってしまう
- シチュエーション毎に言い回しが変わる
なので英語で話してても「これだけは日本語で言いたい!」ってことが起こる訳ですね。
英語に訳すのが難しい日本語にはどんなものがあるのか、早速見ていきましょう。
目次
①めんどくさい
日本人にとってはもはやベーシック感情のひとつの「めんどくさい」ですが、実は英語にこれに相当する単語はありません。
外国人はこの単語を学ぶと「こんなに便利な言葉があるなんて!」と感動。
「That’s so めんどくさい」のように「めんどくさい」を乱用するようになります(笑)
英語にするとしたら…?
英語の「inconvenient(不便・都合が悪い)」という単語がまず浮かびますが、あくまでも「不便」でしかないので、やっぱり「もったいない」の代わりにはなりません。
なので、「めんどくさい」を「やりたくない(I don’t want to do it)」と言い換えるのがニュアンス的にいちばん近いです。
あとは「I can’t be bothered」や「It’s too much hassle to do —」などのフレーズを使うこともできますが、シチュエーションによってフレーズを使い分ける必要があります。

「めんどくさい」韓国語にはあるみたいですが、英語にはありません。
②ただいま・おかえり
日本語では家に帰った時「ただいま」「おかえり」のやりとりがありますが、英語でそれに相当するものって実はないんです。
英語にするとしたら…?
例外として家に誰かいるのか分からない時に、自分が帰宅した合図として「I’m home!」みたいな感じで言うことはあっても、日本語のような「I’m home」「Welcome back!」みたいな定型文的やりとりは少し不自然に聞こえます。
私と彼はいつも英語で会話していますが、「ただいま」と「おかえり」は日本語でそのまま言っています。
③かわいそう(可哀想)
食べたかったチョコレートが売ってなくて買えなかった。そんな私を見て「可哀想…🥺」といつも彼は言ってくるんですが、これって英語で言えないよな!とある時ふたりしてハッとしました。
英語にするとしたら…?
「Poor you」や「I’m sorry for you」といったフレーズで、哀れみの気持ちを表現することは可能。
そして「I’m sorry for you」というフレーズが意訳すれば、意味的にはかなり近いです。
ただ「Poor you」は日本語の「可哀想…」ほどよく使われる表現ではないので、使い方によっては少し不自然さを醸し出すかもしれません。
④いらっしゃいませ
これって実はかなり日本語独特の表現。
日本ではお客さんが見えたら皆で声を揃えて「いらっしゃいませー!」と言うのが普通ですが、海外で店に入って「Welcome to our store!!!」とスタッフが声を張って言ってくることは絶対にありません(笑)
私がオーストラリアで働いている日本食レストランでは「いらっしゃいませ」とお客さんに掛けるのですが、その声の大きさにビクッと驚いてしまうお客さんがいて面白かったりします。
英語にするとしたら…?
オーストラリアで生活をしていて、お店に入った時やカウンター越しに店員さんと目があった時には「Hi, how are you?」と声をかけられます。
アップルストア等で製品をチェックしている時は、「How can I help you?」とか「Can I help you with something?」と言ってくる事も。
どちらにしろ、やっぱり日本語の「いらっしゃいませ」を訳した類の表現は英語では存在しません。
⑤お疲れさまです
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日本人がいる環境でしか働いたことのない私からすると「お疲れ様です」なしにどうやって仕事できるの!?と思うのですが、これもまたすごく日本語独特の表現・文化です。
英語にするとしたら…?
オーストラリアでローカルの人と一緒に働く彼に、「上の人にバイバイする時、お疲れ様の代わりになんて言うの?」と聞いてみたところ…

普通に「See you tomorrow!」って言ってハイタッチするけど?
と言われカルチャーショックが数分ほど収まりませんでした(笑)
「お疲れ様です」を英語に訳すことは不可能なので、何に対して「お疲れ様!」なのか、そこを言うしかないと思ってます。
たとえば、「このプロジェクトを手伝ってくれてありがとう!」とか「めっちゃ一生懸命働いてくれてありがとう。」とか、仕事っぷりに直接触れてあげる方が自然です。
⑥擬音語・擬態語
わらび餅好きの彼に「とろとろわらび餅」というのをお母さんと一緒に買ったところ、彼に「とろとろって何?」と突っ込まれ、誰もどうにも説明できないということがありました。
「ふわふわ=Fluffy」「キラキラ=shiny」と中にはぴったりな英語訳があるのも存在しますが…
- もちもち
- しとしと
- ツルツル
- ピチピチ
- ガンガン
「英語で表現できない!!」と私たちを苦しめる擬態語・擬音語ってすごくたくさんあります。

「頭がガンガンする」のガンガンって何?って聞かれたら困りません?笑
⑦用事
人からの誘いを断る時に「その日は用事があって…」なんて言いがちですが、考えてみると「用事」ってコトの詳細を明かす必要なく誘いを断れちゃうめっちゃ便利な言葉ですよね。

何このめっちゃ便利な言葉!英語にもあったらいいのに…。
英語にするとしたら…?
英語でも誘いを断る時に「I have a plan that day」と言うことはできますが、「I have to visit my grandparents this weekend」のように具体的に用事の詳細を述べる方がより自然です。
⑧宜しくお願いします
日本語では色々なシチュエーションでよく使う挨拶ですが、英語に訳せと言われるとこれが結構難しいです。
日本語の「よろしくお願いします」のように、どんなシチュエーションでも使えるこんな便利な言葉ってないなって思います。
英語にするとしたら…?
日本語を学ぶ外国人は、「宜しくお願いします」を「Please be good to me」や「Please take care of me」と習うようですが、やっぱりちょっと不自然です。
これとイコールで結べる英語表現はないので、そのシチュエーション毎にふさわしい英語の挨拶に置き換えるのがベストです。
たとえば、初対面の人にこれから宜しく!って時なら「Nice to meet you」、任せてる仕事を宜しく!って時は「I trust you on this:)」のように言うことができますよね。
⑨もったいない
「もったいない」という日本語に感銘を受けスピーチを行ったケニア人女性、ワンガリ・マータイさん。
それは「MOTTAINAI」を世界共通語として広めたいという思いからでした。
つまりもったいないという言葉そして精神は日本特有のものなのです。
英語にするとしたら…?
もったいないに近い英語表現として「That’s such a waste!」があります。
でも日本語の「もったいない」はどんなシチュエーションでも使えるのに対し、「waste」という英単語には少し限りがあります。
たとえば「あなたは私にはもったいない」という文だと「waste」は使わずに、「You’re too good for me」と言った方がより自然です。

日本語の「もったいない」ほどにフレキシブルに使える英語ってないんですね。
⑩先輩・後輩
世界での日本のアニメ人気の影響でこの日本語を知る外国人は多いですが、英語には同じニュアンスをもつ単語はありません。
私が学校の先輩を「先輩」と呼んでいたら、彼に「なんで先輩って呼ぶの?友達じゃダメなの?」と言われたことがあります。
日本の先輩・後輩文化は海外で生まれ育った人にとっては理解の難しい面がありそうです。
英語にするとしたら…?
日本のように年齢を気にしない文化を持つ国では、一緒に働く仲間は年上でも年下でも「coworker(同僚)」です。
なので、英語では年上や年下の人を一括りにして呼ぶ総称はありません。
私が現在オーストラリアで働いている日本食レストランでは、先輩スタッフのことを「Senior staff」、後輩スタッフのことを「Junior staff」と呼ぶことも。
でもオーストラリア人と働く彼は「その呼び方は使わない」と言ってるので、日本の上下関係がくっきりした社会ならではの“英語表現”なんだろうなと思っています。
おわりに…
英語にうまく訳すのが難しい日本語を10個紹介しました。
どれも英語に意訳するより日本語で言った方がしっくりくるものばかり…。
外国人の友達や恋人に教えてあげるとまた面白いと思います。
おすすめ英語学習本!